されど幸いがまさるよう
2025年新作「されど幸いがまさるよう」80デニール ナイロンタイツ
アーティスト、イラストレーター。長崎県生まれ。鉛筆画とリトグラフによる独自のテクスチュアを生かした、躍動と静けさが同居する世界観が魅力。2003 年より3年間フランス・パリのアーティストインレジデンス等で活動。現在は東京を拠点に、書籍装画、広告、ファッションやパッケージのイラストやデザインなど、幅広い分野で仕事をする他、国内外での個展やアートフェア参加など展示多数。
2025年、故郷・長崎への想いを作品にする機会をいただき、タイツにも展開しました。
長崎港の水面は、今日も太陽の光をまぶしく映し出し、かつて西洋文化の窓口であった時代と変わらぬ輝きを放っています。
1962年に版画家・田川憲さんが描いた《長崎港遠望》を拝見したことをきっかけに、過去を大切にしながら未来へつなげたい思いで、構図を重ね、現在の港や女神大橋を背景に、希望をあらわす短冊形の光が、色鮮やかに海を越え空へと舞い上がっていく姿として表現しました。
作品タイトル「されど幸いがまさるよう」は、ギリシャ悲劇『オレステイア』(アイスキュロス作)の一節から。
幾度となく悲しい出来事を経験し、それでも前を向き続ける長崎の姿に重ね、より良い未来への祈りを託しています。
text by. IZUMI KAWA
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